今夜、東京の新宿にある三井ビルで、第44回三井ビルのど自慢大会が開かれました。入居している企業同士の対抗戦になっています。その回数から言っておそらく40年以上に渡り行われているイベントです。
どんな雰囲気かを知りたい人はこちらをご覧ください。
紙吹雪みたいに見えるのは、各社が持ち寄ったシュレッダーダスト、審査員は松崎しげる(70歳!)です。すでに匂い立ちます。
そして各社の名物出演者は「会社名+カバーしている歌手名」で呼ばれます。「損保ジャパンの松山千春」「郵便局の吉田美和」などです。
この内輪イベント(と、あえて言わせてもらいましょう)、異様に盛り上がります。歌う阿呆に見る阿呆です。
東京の、とりわけ西新宿のオフィス街といえば第一線級のサラリーマンの主戦場の一つです。言ってみればこんな田舎っぽい、昭和っぽい趣旨のイベントが成り立つ場所とは到底思えないのですが、名のある企業がこぞって参加しているのです。
それに釣られてか、出てくる曲も古いもの(70-90年代)が多いです。ちなみに今年のベスト3は、
3位 ダンシング・ヒーロー
2位 天城越え
1位 熱くなれ
でした。
NHKののど自慢もそうですが、のど自慢って視聴者参加型イベントとして完成してるんですよね。
いうまでもなく、その完成度は、歌の上手さによるものじゃないです。
それは、主催者、参加者、見る人、地域全体の一体感です。
なぜこの一体感が生まれるのか、私なりの解釈です。
・歌をうたうのは気持ちいい(もちろん「得意じゃないから人前でなんてとんでもない」という人もいますが)
・隣の人と感情をシェアしやすい。それが見知らぬ人であっても
・主催者の負担が比較的軽い、感動の演出もやりやすい。締りが良い。
と、はじめからwin-win-winなんです。
いつからか、テレビが一人一台になり、長らく視聴率が低迷していた紅白歌合戦。
ツイッターの登場により、徐々に視聴率を取り戻しています。
もともと紅白歌合戦は家族が茶の間で一台のテレビで見るコンテンツだったのです。夫婦で出演者にあれこれツッコんだり、若い芸能人を知らないお父さんが娘になじられたり、そういうコミュニケーションがセットだったのです。
そして現代は、“バーチャル茶の間”がツイッター上に現れているのです。ツイッター上のリアルタイムのやり取りによって、見知らぬ人たちが感動(あるいはツッコミ)をシェアしています。
もちろん、紅白歌合戦と違ってのど自慢大会の場合は、あまりにもバラバラな選曲になると盛り上がりません。
最初に紹介した三井ビルののど自慢大会は、歌謡曲から、ミリオンが量産されていた頃のJ-POPが中心で、よく知らずとも聞いたことがある曲ばかりが流れます。NHKの場合は、TVでは放送されない予選にミソがあるとみていいでしょう。
ここ那須では、週末になると本当にたくさんのイベントが開かれています。
のど自慢大会をやろうという話ではなく、のど自慢大会の一体感の醸成とSNSとの相性の良さは、イベントを盛り上げるのにかなり参考になると思うのです。イベントにこういう要素が必要、というノウハウが詰まっています。
参考にして、良いイベントライフをお過ごしいただければ幸いです。
photo by edelweiss.resort