アド街にこの街がでた

日本遺産登録が効いているのか、シティプロモーション課の活躍なのか、このところメディア露出の多いこの街、那須塩原です。

さて、1/12(土)のアド街ことテレ東の出没!アド街ック天国で紹介されたのですが、それを見て改めて思ったことを。

まずは番組恒例の20位から1位の場所の振り返りです。

放送タイトルは「那須塩原温泉郷」です。
まあ地元の人がTVの前で総ツッコミだったと思いますが、東京からみたら違和感ないでしょう。

観光客にとってはどうでもいい話ですが、大きく言うと、塩原温泉郷、板室温泉、那須温泉郷とありまして、3番目は行政区が違う(=那須町)のです。番組の趣旨としていつも市町村で分けているので、那須温泉郷の紹介はありませんでした。脱線しますが、那須温泉郷は、入口付近の看板では「那須高原温泉郷」となってたり、ものによって「板室温泉を含む」とする説明があったり、まあ割と適当です。
ただ、塩原の人たちは、頭に那須がくっつくのは嫌がるかもしれません。曰く「そんな温泉郷はない」以上、豆知識でした。

1位 塩原温泉郷
温泉郷全体、ということでまあお約束でしょう。

2位 天皇の間記念公園
ロイヤルリゾートですから、これも順当です。番組ではあまり説明はありませんでしたが、もともとの大正天皇の御用邸は今の公園とは場所も異なり、広大な敷地でした(目立たないですが、塩原温泉郷に行く国道400号沿いにあります)。いま見られるのは、本当に館の一部分です。

3位 塩原十名瀑
十名瀑というのは私は知りませんでした。とにかくたくさん滝があります。難点は、どの滝に行くのも少し足元が悪く、どの駐車場に止めたらいいかわかりにくいので、事前に調べていくことをおすすめします。そのうち、まとめようと思います。

4位 老舗の宿(板室温泉の大黒屋)
大黒屋さんは、アートを取り入れることで地域活性化を狙っているお宿です。雰囲気が好きになったらドハマリする宿です。
団体やゴルフ客お断りってのも(いい悪い別にして)きっぱりしてますね。

大黒屋(板室温泉)じゃらん

5位 華族の別邸(旧青木別邸)
青木の道の駅に隣接していますので気軽に見に行けます。私が移住を決めたときの一つのきっかけでした。「那須ってヨーロッパみたい」(ヨーロッパ行ったことないケド……)と思った場所です。芝生と大きな庭があり真冬以外は花が綺麗です。

6位 生乳生産額本州一(乾杯用牛乳無料)
逆説的に、北海道の規格外っぷりが強調されるキャッチコピーですが、市は真剣に取り組んでいます。東京への流通で考えると、近いのでかなりの比率で都内の牛乳は那須野ヶ原産(近隣の市町村含む)のはずです。あとソフトクリームうまいです笑
那須塩原市のミルクタウン戦略(H29年、pdf)

7位 古式湯まつり
伝統と華やかさのあるいいお祭りです。ただ、いまは観光客向けにはあまりなってません。いつか、観光客でいっぱいのイベントにしたいと思っていますが、地元の神事と考える方もたくさんいらっしゃいますし、気持ちもわかります。経済の繁栄を考えて、地元の合意を得てオープンにしたいと勝手に思っています。

8位 川瀬巴水(かわせはすい)
塩原温泉は、明治大正期から文化人がたくさん訪れてます。アートの切り口はなにも板室温泉(大黒屋さん)だけじゃないかもしれませんね。

「湯宿の朝」の舞台になった下藤屋(じゃらん)

9位 スープ入り焼きそば(こばや食堂)
いくつかのお店で食べることができます。口の中で、醤油ラーメンとソース焼きそばが交互に来ます。美味しいです。

10位 幸乃湯温泉(じゃらん)
日帰り温泉もあります。pH9のアルカリ温泉ですので美肌の湯ですね。

11位 共同浴場
テレビの演出でも何でもなく、塩原の年配の方たちはわりと普通ですね。

12位 SHOZOストリート(SHOZO Cafe)
温泉街ではない新しい観光地です。個人的には「空いてる代官山」と思ってます。SHOZO Cafeのオーナーに憧れた人たちが集まって街が生まれ変わりました。すごいことです。

13位 蕎麦(かどや)
蕎麦屋は山ほどあるので、好みの店を見つけるには相当の時間がかかります。かどやは地元の町の中にありますので、観光できた方は移動時間に気をつけて。つけ蕎麦もいくつかのお店で食べることができます。

14位 那須疏水
U字工事さんが、明治期に那須疏水をつくった中心人物である矢板武と印南丈作のことを、「アダムとイブ」といって笑いを取ってましたが、水ってそういう存在ですよね。妙に、この表現が気に入ってしまいました。

15位 ハイレベルなパン屋さん(RAKUDA)
パン屋はほんとハイレベルです。那須に住んだら普通のパンはマジで食べられなくなります。うどん県ならぬパン市を名乗ってもいいくらい。

16位 大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原
ホテルニュー塩原(じゃらん)
昔ながらの塩原らしいかと言われるとアレですが、マーケティングの力で進化し続けています。人の流入で大きく地域に貢献している点において押しも押されもせぬNo.1の宿です。

17位 美食工房 ラトリエ・ムッシュー
カーナビに入れてもまあまあ見つけるのは難しいですよ。1回くらいは通り過ぎるかも(そして通り過ぎると、どちらから来ても永遠とUターンできない笑)。一流の料理を目の前で作ってくださいます。

18位 塩原高原大根
ただの大根と思うことなかれ。おろせば上品な辛味です。なかなか外の市場に出ないんですよねー。宇都宮の「あぜみち」がわざわざ買い付けに来てるくらいです。ぜひ、塩原に来て食べてほしいですね。

19位 カフェ・ド・グランボワ
これもポツンと温泉街以外からランク入りですね。歴史ある建物がカフェになっています。いい意味で時代錯誤感が味わえます。なにげなく電源カフェでもあります。

20位 6種の温泉
20位と1位は塩原温泉ってことです。

ということで、リンク先を見てもらえれば一目瞭然ですが、大部分が塩原温泉郷(旧塩原町)ってことになります。

温泉。
那須塩原市の誇れる地域資源です。日本全国、どこにでもあるとはいえ、やはり湯量や泉質の豊富さが図抜けています。それは(単に昔からあると言うだけでない)歴史の奥深さが物語っているでしょう。

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しかしそれはやはり、迎える側の理屈である部分が大きいと考えています。
「まっすぐ温泉だけを求めてくる観光客・旅行者」というのはどちらかというとマイノリティになります。
なにか日中の楽しみ、目的があって最後の仕上げが温泉、という旅行スタイルの方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
その前提に立つと、塩原温泉郷はコンテンツが足りないのです。

ずっとそのことについて考えていて、なんとかコンテンツを作れないか、今でも真剣に悩んでいるのですが、アド街の編集(ランキング)を見て、「ああ、やっぱり」と再確認できたわけです。

誤解のないように書いておきますが、塩原温泉郷には魅力的なコンテンツはたくさんあります。
ですが、「大涌谷」とか「湯畑」とか「地獄めぐり」とかと比肩するような、わかりやすいランドマークでないのは確かです。

しばらく前から言われているように、ものが豊かになって価値観が多様であることが許されるようになり、大きなハコモノで集客するのは難しいかもしれません。じゃあバラバラでも小粒でもいいじゃんか、というわけには行かないのが難しいところ。「わかりやすさ」「ターゲティング」は必要です。

12位にあるように、黒磯のまちなか(SHOZOストリート)のように一つ一つのお店は小さくとも、「SHOZOさんに憧れて」という共通の思いで集まった人たちの作る「通り」は活気を取り戻しつつあります。

これを作らなきゃな、と勝手に使命感に燃えた番組への感想でした。

それでは、楽しい温泉ライフを。

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