廃炉創造ロボコン

ロボコンが好きです。

大学ロボコン(今はNHK学生ロボコン)が始まって(1991年)少しした頃、私は東京電機大学の門をたたきました。
在籍していた学部(理工学部)ではなかったように記憶していますが、たしか大学からも1チーム出ていて、密かに憧れていました。当時の私は、今の生意気な態度はどこ吹く風、「チームに入りたいです」なんて、天地がひっくり返っても言えないような引きこもりボーイでした。いやーでも、大学の志望動機を聞かれて「将来ガンダムを作りたいです。人工知能の分野で」って言って合格してますから、今の失礼な物言いの片鱗はすでにあったはずなんですが……

それはともかく。

ロボコンに限った話ではないのですが「あるレギュレーションの範囲内で答えのないことに発想力で挑む」というシチュエーションがドンピシャで好きです。

手順と規則の違いを普段から意識するでしょうか?まあしませんよね。わたしもしないです。
でもよくよく人を観察していると、手順をきちんと踏むのが好きな人・得意な人と、規則あるいは規則性をきちんと把握するのが好きな人・得意な人の2パターンあることに気が付きます。
前者は、最も身近なのは料理のレシピですね。仕事だと、運用でミスをしない人。
後者は、車の運転やクイズとか、仕事だとやっぱり設計や開発です。
仕事のチーム内に両方いると本当に助かります。

ロボコンは、全く手順は与えられず、しかも毎回新しいステージと規制の中でロボットを作り、成果を競います。
なので、さっきの話だと後者の人が得意とする分野です。
学生ですからお金も技術もない。
そうするとけっこう純粋に、知恵と根性(短い期間で完成度を高めるためには必要)の勝負になります。
この記事で話題にするのは知恵の方です。

「課題の出題者の意図を読む」まではみんなやります。
それに最適と思われる機構のロボットを作る、いわゆる順張りのチームと、
ルールの隙間や裏を狙ってピーキーなロボットを作る逆張りのチームがほぼ必ず現れます。
どっちがいい悪いじゃないんですが、”ゲームの観戦者”という立場でいうと逆張りチームに感情移入したくなります。ただし、もし仮に自分の立場が学校の先生だったら、反対するかもしれません笑
とまあ、そんなことをTVにむかって評論しながらいつも一人でニヤニヤとしています。

で、やっと、ブログタイトルの話です。
昨年の12月に福島県で廃炉創造ロボコンなる新しいロボコンが開かれているのを偶然見つけました。
もう3回を迎えていましたので、2016年からということになります。

ネット上の情報があまりにもプアなので、もっと宣伝しろよー、と言いたくなります。

ですが、お伝えしたいのはそこじゃなくて、
これ、上のリンクを見れば分かる通り福島高専さんが主催しています。まさに福島原発のお膝元ってことですが、このコンテストを通じて廃炉作業に画期的な技術革新がもたらされることが目的ではないんですね。

目的はおそらく2つあって。

1)廃炉は今後何十年もかかるということの再認識・啓蒙・忘却防止
2)教育現場に、「現実の社会問題」を取り入れることによって問題発見・設定能力を鍛えること

だと思うのです。
私だっていろんな複雑な心境がうずまきますが、もう起きてしまって、次の世代に問題を残してしまうという事実は消せないですから、だったらこういう形で向き合うことを心から応援したいです。

願わくば、私のブログのような弱小メディアだけでなく多くの人に届くようになるといいです。

それでは、楽しいロボコンライフを。

Photo by Michael Radtke

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