賃金と円安

通貨

いろんなところで言われていることですが出口の見えない円安。
実は去年の今頃(つまり2021年9月)、2021年の10月から最低賃金が大きく上がるというときもすでに円安に動いてましたから、これは中小企業の経営をものすごく圧迫するのではないかと考え、このエントリを下書きしたまま放置してました。まさかここまでなるとは正直思ってなかったので、私もたいした知識も先見の明もないんですが、それでも「誰かの参考になるかも」と思い、書いて残しておきます。

2022年9月、ある意味、危機的な円安(と言っていいでしょう)。

ドル円は1985年のプラザ合意後、1年で1ドル150円前後になりました。
それにより、アメリカの対日貿易赤字がある程度まで落ち着くと110円から120円台で動きながらその後の30年間を来たわけです。それに最適化されちゃった日本の経済構造ではそのままではもうどうにもなりません。とるべきは輸出をバンバン増やすか観光客をバンバン入れるか、あるいはそのハイブリッドでしょう。円安を是正しようとか考えちゃだめ、というか無理だと思います。金利を上げるしかないんですがそんな事したら借金の利子で首が回らなくなる人が続出するからです。
円安のまま打開するには輸出と観光です。1980年代は、輸出で景気が良かったんですから。
となると自明ですが輸出産業があれば良いっていう話になるわけです。いやーないわ。当然、頑張っている人・会社はいますが、80年代みたいにはならないですね。電機も自動車も周りの国が追いついているか追い越されてます。

となると、残りは外国では代替できない価値である観光ということになります。つまり「日本に行ってみたい」「円安だし行こうか」を増やすしかないんですよね、もう。「観光ビザのフル開放+なにか特典付き」みたいな施策をやって世界のセレブに日本で爆買い・爆食いしてもらうのが一番でしょう。

でも感染症はいまより拡大するでしょうね。だからコロナウイルスで苦しんでいる人、亡くなった人のご家族・友人、エッセンシャルワーカーの皆様には軽々しく言えないんですが、じゃあこのまま指くわえて国内の経済破綻するの?みたいなレベル感まで来てる気が個人的にはします。

中期的にはコンテンツ産業(アニメ・ゲーム)の輸出拡大でしょうね。なんか、もう一つ伸び悩んでいる気がするのは言語の問題なのか、マーケティング力不足なのか、まあ両方でしょうかね。まったくもって簡単ではないです。
お隣、韓国は、まだ規模は大きくないですが着実にコンテンツ(アイドル・ドラマ)で外貨を獲得してます。コンテンツ創る段階からマーケットとして世界を見てます。そこに、かの国の覚悟みたいなのが見えます。極論、5千万人(韓国の人口)より70億人って誰でも分かる話ですよね。
日本のコンテンツ産業は、やはりまだまだ「国内でヒットしたら海外」が多いように感じます。コンテンツ作りを組織的にやってない、という点もあります。まあその手法こそが「クオリティで圧倒する」という日本のお家芸でもあるんですけどね。

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話がだいぶそれましたが賃金です。
日本の賃金はいまや世界で見ると安い。なぜなら円安だから。
システム開発の場合、人件費は一ヶ月100万円前後ですが(レベルにより差はあります)、海外のプログラマに1万ドル払うとすると、 2019年なら まあ108万円とかなんで、国内と同程度ってことだったんですがいまは140万円です。同じ技術力を有するエンジニアなのに。これが現実。そして現状、国内で作れる人が少ない(育ててない)んで、安くてクオリティが高くて意思疎通が容易なはずの国内労働力が存在しない。

こんな状況下で、いま無理やり最低賃金を上げたらどうなるか。コストが上がって売上が伸びないんだからクビになる人が増えるわけです。日本はアメリカほどドラスティックにクビ切れないんで、グレーな方法で賃金を下げる(維持する)か、耐えきれずに中小企業の社長があぼーんするかっつう話です。そしたらその会社の従業員はみんな職を失うんですけどね。

そうなる前に、社長も社員も関係なく、「うちの会社で外貨を稼ぐ方法」を考えるほうがヘルシーです。
まあそのためにも、子どもにはプログラミング教育をおすすめします(結論を強引に自分のところに持ってきた例)。

ではまた。

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